<信毎の本> 長野電鉄百年探訪
2020年9月28日
前身の河東鉄道創立(1920年)から100周年を迎えた長野電鉄。北信濃の生活と観光を支える鉄道を走らせる中で、志賀高原の観光開発、独自車両の導入や長野市街地の地下鉄化など、地方の私鉄としては大胆な事業に取り組み、注目を集めてきました。本書は100周年を記念した同社との共同企画です。
3部構成で、第1部「鉄道省公文書と地図で読む長野電鉄創成期の歩み」は地図研究家・今尾恵介さんが執筆。許認可を得るために監督官庁の「鉄道省」に提出された膨大な書類を読み解き、路線建設の狙いや苦労などを明らかにします。
第2部は「信濃毎日新聞記事・写真でたどる長野電鉄百年トピック」。初代社長・神津藤平の人物像や村山橋建設などの初期エピソードから、地下鉄化、木島線・屋代線廃止、スノーモンキー人気など近年の動きまで、主な出来事がどう報じられてきたかを追います。
第3部は一般公募エッセーの入賞作・秀作選。同社が企画したコンテストの応募作507点の中から104点を収録しました。通勤通学で乗った青春の思い出、戦時中の経験など、利用者目線で歴史の一端を補います。
このほか、廃止線を含む全43駅や構造物・設備の紹介、年表などの資料に加え、書き下ろしの鳥瞰絵地図(村松昭さん作)、線路縦断面図(今尾さん作)も収録。隅から隅まで“長電ぎっしり”の鉄道歴史書です。A5判256ページ。定価1980円(税込み)。お求めは書店、信毎販売店、長電主要有人駅へ。お問い合わせは信毎出版部(電話026-236-3377)へ。