信毎からのお知らせ - 総務局

赤レンガ倉庫、保存探る 信大関係者・専門家、松本でシンポ

2019年4月01日

赤レンガ倉庫の保存や利活用などを関係者が考えたシンポジウム=31日、松本市

 信州大松本キャンパス(松本市)にある国登録有形文化財「旧松本歩兵第五十連隊糧秣庫(りょうまつこ)」の老朽化が進む中、戦争の歴史をとどめる建造物として保全や活用を考えるシンポジウムが31日、松本市中央2の信毎メディアガーデンであった。信大関係者や専門家らが糧秣庫を後世に残す意義や方策を考えた。

 糧秣庫は通称「赤レンガ倉庫」と呼ばれ、1908(明治41)年ごろに建築され、第五十連隊の食糧庫として使われた。その後は信大医学部の研究棟に転用され、現在は資料室として残る。

 シンポジウムは2部構成。1部は信大大学史資料センターの福島正樹特任教授が「糧秣庫は『軍都』から『学都』に変貌した歴史を語る遺構」と説明した。人文学部の久保亨特任教授は保存運動に携わった経験に触れ「戦争の遺構を保存し、平和を発信したいという市民の思いがあった」と振り返った。

 2部では糧秣庫の今後の在り方を検討。人文学部の金井直教授は、学生が糧秣庫近くにおでんの出店を出した事例を紹介し「同様の取り組みがあれば大学は温かい雰囲気になる」と提案した。

 続く全体討論には濱田州博(くにひろ)学長らが参加し、糧秣庫の利活用を考えた。県立歴史館(千曲市)の笹本正治館長は市民と連携した保存活動の必要性を指摘。信濃毎日新聞中信面で3回の連載「赤レンガ倉庫は語る」を執筆した小内翔一記者(29)は「10年ほど前の記事は80代や90代の元兵士が登場するが、今はそれが難しい。遺構としての価値は高まっている」と述べた。

 シンポジウムは信大創立70周年記念事業で信大が主催、信濃毎日新聞社などが後援した。約80人が参加。信大医学部5年の河野絵理子さん(23)は「今後は大学、市民、行政、学生が一体で利活用を考えることが必要」と話した。

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