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高山村のネマガリダケ採り 初試みの連絡先用紙、一定の効果

7月11日(水)10時25分

遭難者を捜索する須高地区山岳遭難防止対策協会の隊員ら=27日、高山村牧

 高山村のネマガリダケ採りの入山期間(6月2日~7月1日)が終わった。延べ4874人が入山。長野市や上田市、須坂市の62~84歳の3件4人が遭難したが、全員救助された。今季初めて、土地勘がある須高地区山岳遭難防止対策協会(遭対協)が迅速に救助出動できるよう、家族らへの緊急連絡先を記す用紙を入山者に配布。関係者は一定の効果があったとしている。

 村内では村などの村公・共有林管理協議会が山林を管理。希望者は協力金を納め、協力証を車両の見えやすい場所に置いて入山する決まりだ。ただ、緊急連絡先などの記入欄はなく、入山者が家族らに場所や日程を告げないまま遭難した場合、救助が遅れかねない懸念があった。

 きっかけは、昨年起きた長野市の男性の遭難死事故。地元の山に明るい遭対協は救助で力を発揮するが、民間のため救助費用を遭難者側に請求する。出動には本人や家族の同意が必要だが、この時は単独入山した本人が携帯電話で警察に救助要請したものの間もなく電池切れ。遭対協の出動は2日後になった。男性は遭対協隊員の見立てで捜索した川の中で見つかった。

 これを教訓に、今季は緊急連絡先などを記す用紙を協力証の発行所などで配布。特に単独入山者には提出を求めた。村によると61枚の提出があった。奥山田地場産業振興組合の藤沢一実組合長(74)は「昨年の事故を多くの人が知っており、はっきり断る人はいなかった」と話す。

 須坂署によると、3件の遭難はいずれも家族らから遭対協の出動同意を得ていた。うち2件は用紙が車のダッシュボードに置かれていた。中でも6月22日に遭難した長野市と須坂市の兄弟は家族らに行き先を伝えておらず、当初は遭難場所が分からなかった。夜になって署員が車を発見。用紙の情報もあって、23日早朝に遭対協が出動できた。

 一方、同26日に単独入山して遭難した上田市の男性は用紙を持っていたが連絡先を書かず、車内に置いたまま。携帯電話もなく、辛うじて行き先を聞いていた家族の通報で事なきを得た。混雑時には用紙を渡すのみで、提出に至らないケースもあったという。

 同署によると、今年の遭難者はいずれもネマガリダケ採りの経験があるベテラン。例年より生育が1週間ほど早く、シーズン後半には山奥を目指す入山者も目立った。村公・共有林管理協議会事務局の村総務課は今後、利用者のマナー啓発とともに、単独入山者がより用紙を提出しやすい方法などを検討していくことにしている。

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