信毎ニュース

教育や平和意識 日独の違い議論 松本で講座

6月13日(水)10時12分

教育などに対する日独の違いを議論したパネル討論

 県内有志でつくる学びの場「信州自遊塾」(安曇野市・松本猛塾長)はこのほど、日本とドイツの違いを考える講座を松本市中央公民館(Mウイング)で開いた。「ふたりのロッテ」などで知られ、ファシズムに批判的だったドイツ人作家エーリヒ・ケストナー(1899~1974年)を研究する作家那須田淳さん(58)=ベルリン在住=が講演。那須田さんを交えてのパネル討論もあり、戦後の教育や平和に対する意識の違いを考えた。

 那須田さんは講演で、ナチスが台頭した当初のドイツ国内情勢について「極右時代はすぐに終わると思われていたきらいがある」と説明。しかし、ケストナーの著作が焚書(ふんしょ)になるなど、徐々に国民が意見を言えない雰囲気が漂ったとした。戦後は「ツィヴィールクラージェ(市民の勇気)に根差し、少数意見もきちんと言う」ことが教育現場で重視されていると強調した。

 パネル討論は、那須田さんや又坂常人・信州大名誉教授らが登壇。ドイツ出身で翻訳・通訳などの仕事をするマライ・メントラインさん(34)=東京都=は、ドイツではナチス時代の否定などが徹底されている一方、日本同様に「若い世代が祖父母らから戦争体験を直接聞けなくなる」ことに危機感があると述べた。

 講座は4回続きの2回目。関心のある市民約90人が聞いた。今後は文化や環境問題などをテーマに開く。

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