信毎ニュース

かやぶき屋根、交流の場に 区内の建物を改修 富士見・若宮区

5月16日(水)10時38分

改修が進められている「風月庵」を眺める改修委員会のメンバーら

 富士見町富士見の若宮区民が、区内にあるかやぶき屋根の古い建物の改修を進めている。区民が集まって念仏を唱えたり、茶話会を開いたりしてきた区の拠点と言える建物で、改修によって高齢者や子どもが世代を超えて交流する場にもしようという構想だ。屋根のふき替えは2017年に始まり、今年6月にも行う予定。来年には建物内部に手を入れる。

 建物には「風月寺」の看板があり、釈迦(しゃか)如来像が祭られていた記録があることから、寺として創建されたとみられる。看板の裏に「文久元年」(1861年)の書き込みがあるが、釈迦如来像は1649(慶安2)年の制作とされ、区民には建築から350年以上たっているとの見方もある。町や県によると、これまで文化財として調査されたことはない。

 木造平屋の約120平方メートルで、10畳、8畳の部屋がそれぞれ二つ。区が設けた改修委員会委員長の名取徹さん(71)らによると、近年は寺として使われた形跡はなく、区民は「お堂」と呼んで念仏を唱える会などを開いてきた。名取さんが子どもの頃には秋祭りや映画上映会が開かれるなど、子どもの遊び場でもあった。

 2015年に改修委が発足し、16年にはふき替えに必要となる大量のカヤの収集を町内で開始。17年から県の「地域発元気づくり支援金」を資金にしている。カヤの刈り取りや同年行った東側の屋根のふき替えには、延べ100人以上の区民が参加した。

 区内には約30人の小中学生がいるが、名取さんは「外でまとまって遊ぶ子どもは、ほぼいない。かつては皆で遊ぶことで互いを知り、仲も深まった。そういう場所を子どもたちに残したい」と言う。

 今年4月には、高齢者から若者までの17人で建物の利用方法を検討する委員会もできた。「風月庵」と名付けて利用することになっており、名取さんは「高齢者が子どもに地区の歴史を話したり子どもの勉強をみたりするなど、世代間の交流場所にもなればと思う」と話している。

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