信毎ニュース

松枯れ木、まきで活用を 安曇野のストーブ店主ら呼び掛け

5月13日(火)10時31分

安曇野市のまきストーブ店が作ったアカマツのまき(手前)

 松くい虫被害などで枯れたアカマツをまきストーブの燃料として使い、山林内で伐倒して薬剤で薫蒸する対策を少しでも減らそうと、安曇野市のまきストーブ店経営者らが市内の住民らに呼び掛けを始めた。まきを流通させるのは既に松枯れ被害が出ている市内と周辺に限る。住民が日常生活で松枯れ対策に貢献でき、地域の松枯れ対策への関心が高まることも狙う。

 安曇野市内では松枯れが拡大しており、市耕地林務課によると、昨年度の被害量は約8800立方メートル。このうち約7450立方メートルは被害木を丸太に切り、農薬をかけてビニールで覆う伐倒薫蒸などで処理した。

 ほかに燃料としての活用も目指し、昨年度は長峰山森林体験交流センター天平の森にまきボイラーを導入し、風呂や床暖房の熱源に活用している。穂高温泉郷に整備し、2015年7月開業予定の日帰り温泉施設「安曇野しゃくなげの湯」にもまきボイラー3台を導入する。

 こうした流れの中、県林業士でまきストーブ店を経営する同市穂高有明の諫山憲俊(いさやまのりとし)さん(63)が「市民にもできる対策」として、家庭のまきストーブでの活用を仲間と検討。4月にまきストーブ使用者の会、林業会社、松林を守る市民団体などに呼び掛け、多くの賛同を得た。

 諫山さんは、市内でまきストーブを置いているのは現在3千世帯と推測する。協力世帯が千軒あれば、1軒当たりの使用量が少なくても大量に消費できるという。

 流通態勢は、しゃくなげの湯のまきボイラー用に被害木を集めて供給する拠点を活用できないか検討する。アカマツは燃焼時に高温になってストーブを傷める恐れがあるため、まきとして主流のナラ4、5本にアカマツ1本を交ぜるよう勧める考え。態勢が整うまで諫山さんらが貯蔵するアカマツのまきを供給する。

 松枯れ被害木の処理は伐倒薫蒸が主流だ。市は予防策として農薬空中散布も計画している。諫山さんは「伐倒薫蒸は進めなければいけないが、農薬は人の健康や生態系に影響する恐れがあり、少しでも使用を減らしたい」と話している。

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