信毎ニュース

山あいの恵み、そば店から 松本のNPO代表と住職らが開店準備

11月15日(水)10時05分

そば店に改修予定の民家の前で話す橋本さん(左)と高橋さん

 松本市三才山の山あい、一の瀬集落の実家に住むNPO法人代表、橋本みすずさん(55)と、同市浅間温泉の神宮寺の住職、高橋卓志さん(68)らが、荒廃地で育てた「信州ひすいそば」を提供する店を開く。橋本さんの実家で地元の農産物を販売し、神宮寺に招いてきた演奏家によるコンサートを開くつもりで、過疎化する中山間地の豊かさを発信したいと準備している。

 同集落は約30軒。橋本さんの両親も農業や養蚕を営んだ。別の地区で暮らした会社員時代、取れたての野菜を味わって美しい星空を楽しめる地元の良さに改めて気付いた橋本さん。約6年前、父親の介護を機に実家に戻った。

 父親を亡くした後、10年ほど前から憧れてきたカフェを開こうと考え昨年8月、設備業者を紹介してもらうため高橋さんに相談。高橋さんもかねて飲食店を開業したいと考えており、開店構想が盛り上がった。地元の定年退職者ら9人でつくる「一の瀬元気会」が育てるソバを活用することにした。

 橋本さんらは今年5月、NPO法人「Mi―Sha(ミーシャ)」を設立。実家の約170平方メートルの木造平屋建て母屋を改修し、元気会が地元の荒廃農地で栽培する信州ひすいそばを同法人が買い取る。店名は実家の屋号を取って「一之瀬・なか上(仮称)」とし来年6月に開店予定だ。

 信州ひすいそばは、県野菜花き試験場(塩尻市)が開発。実の緑色が濃く、打ったそばも薄緑色になる。元気会は地元で年4回開くそば会などで販売しているが、豊作の年は余るといい、会員の橋本義孝さん(69)は「消費されるのはありがたい」と喜ぶ。

 高橋さんは「ここには宝物がある。訪れた人が暮らしを見つめ直すきっかけになると思う」。橋本さんは「地域外の人が和める場所にしたい。地域の人たちも気軽に集まってほしい」と話している。

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