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「お練り」若者の思い力に 売木で20日の祭り本番へ練習に熱

3月18日(土)10時57分

全身を大きく使って舞う若者たち

 売木村の一大祭事「お練り祭り」(20日)に向けて、村民有志でつくる「お練りの会」の練習が大詰めを迎えている。祭りの華の「お練り」を主に担うのは小学生から大学生までの若者たち。16日夜も村文化交流センターぶなの木で、それぞれの思いを胸に舞の仕上げに取り組んだ。

 この夜は15人が通し練習。太鼓と笛のゆったりとした調子に合わせて、先頭で舞いながら太鼓をたたく「舞子」が大きく体を反らし、両腕を広げる優雅な所作を繰り返した。20分ほど休まず続けると、額に大粒の汗が浮かんだ。

 お練りは1915(大正4)年、愛知県豊根村の祭りを参考に始まった。太田稲荷神社に「岡崎」「真金」「祇園囃(ばやし)」の舞を奉納し、五穀豊穣(ほうじょう)や家内安全を祈願する。戦争や過疎化で幾度か中断したが、87年に復活してからは毎年行われてきた。

 人口577人(3月1日現在)と県内で2番目に小さな村は、65歳以上の人口割合を示す高齢化率が44・71%(同)。お練りの会の後藤由行会長(69)によると、15年ほど前は約30人の大人が参加していたが近年は5、6人。小中学生がいないと祭りを継続するのは難しい状況だ。それだけに、「子どもたちが村に帰ってきてくるのは本当にうれしい」と、指導に当たる伊東勝副村長は話す。

 高校進学以降、村を離れて暮らす名古屋市内の大学4年生の木下大志さん(22)もその一人。「小さい頃、舞子に憧れた」と言い、今年も春休みを利用して練習に加わる。4月からは社会人になるため、祭り本番への参加は最後になるかもしれない。「自分の舞いを見て『舞子をやりたい』と思う子どもが出てきてほしい」と練習に熱を入れる。

 売木中3年の伊東聖矢さん(15)はこの春、高校進学で村を離れる。だが、「村の伝統を残したい。お練りには参加し続ける」と語った。

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