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伊那市美篶に複数の大きなくぼ地 兵舎建設の跡?

7月13日(水)09時51分

戦時中に掘られたと見られるくぼ地。男性のいる周辺が人工的に掘り下げられている=伊那市美篶

 伊那市美篶の山林などに、戦時中に掘られたとみられる深さ約2メートルの大きなくぼ地が複数残っている。住民の記憶によると、一部の穴は柱のない屋根のような物で覆われたという。ここから数キロ離れた場所にあった旧陸軍伊那飛行場の研究を続け、くぼ地についても確認した元高校教諭の久保田誼(よしみ)さん(74)=伊那市上の原=は、本土への空襲が激しくなる中、「防空壕(ごう)を兼ねた兵舎を造ろうとした可能性がある」と指摘している。

 くぼ地の一つを実際に測った畑義治さん(77)=美篶=によると、大きさは18メートル×9メートルほどで、深さは約2メートル。普段は人がほとんど立ち入らない場所にあり、現在は草木が生い茂っている。別のくぼ地の一つは埋まっている。

 畑さんは子どものころ、大勢の男性たちが穴を掘るため、黙々と作業していたのを覚えているが、「青年か中年か、日本人か朝鮮人か見分けることもできなかった」。棒のような物を持った「指揮官」が、近づく子どもに話しかけてきたこともあったという。

 記録は残っておらず、実際にくぼ地が何かに使われたかは不明。久保田さんは、爆撃を警戒し、伊那飛行場の機能を周辺に避難・疎開させようとした可能性があるとみる。旧飛行場とくぼ地は離れているが、軍用トラックで移動することができたという。

 旧飛行場近辺は現在、工場や保育園、民家などが立ち並び、格納庫の基礎の一部や旧弾薬庫などが残っている。

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