それはさておき、ひとまずワイン

コルク臭とは

コルクには色々な形状と素材がある

TCAを99%除去できるというフランスDIAM社のコルク

 さて、今回は飲み手としても造り手としても、とても残念な気持ちになる、ワイン劣化「コルク臭」についてお話します。フランス語でブショネ(Bouchonne)、英語ではコルクテイント(cork taint)と呼ばれ、100本に1~8本(文献による違い)程ある、という数字が出ています。私の経験では1~2本はあるような感じです。原因は塩素系の物質、TCA(トリクロロアニゾール)。この物質がコルク製造の段階や保存場所など、いくつかの場面で混入してしまい、液体に香りが移ってしまいます。厄介なのが、確実な対策がまだ解明されていなく、ブショネワインは回復しないのです。

 TCAに侵されてしまったワインの香りは、「カビのような臭い」「濡れた段ボールを数日放置したような香り」が特徴ですが、私たちのようにほぼ毎日ワインをテイスティングしていると、ブショネに“当たる”こともありますが、一般の方はなかなか当たらなかったり、初めて飲むワインは「こう言う味なのか」と思って分からないかもしれません。余談ですが、古いワインでコルク上部にカビがついたものがありますが、これは湿度が70~75度と高い場所できちんと保存されていた印ですので、問題ありません(すべてがこれではないですが)。

 せっかく買ったワイン、美味しく飲みたいものですが、もし“当たって”しまったときの対処法をお教えします。(どの場合も確実に「ブショネ」の場合に限ります。)

①ワイナリーで直接購入した場合。
 連絡の上、返品をすれば交換してくれます。
②ワインショップやワイン専門のネットショップで購入
 返品交換に対応してくれるお店が多いですが、ある大手のネットショップでは「ブショネの交換返品は致しません」と明記されています。特に高額ワインを購入する場合、そこを注意する必要があります。
③スーパーや量販店などで購入
 ほとんどの場合ワイン専門のスタッフがいないので、返品交換は期待しない方が良いと思います。
④レストランやワインバー
 ソムリエやワインに詳しいスタッフがいる場合、開けたあとコルクを嗅いで確認するのでブショネの場合、この時点で交換します。
 お客様にもコルクを差し出し確認していただきますが、ソムリエが大丈夫だといった場合にも、この香りに対してお客様の方が敏感なこともありますので、遠慮なく言っていただいて構いません。その後、実際に飲んで更に確認いたします。ブショネの場合はお店の責任となりますので、交換いたします。
⑤大衆的な酒場
 ③と同じく、ほとんどの場合ワイン専門のスタッフがいないので、返品交換は期待しない方が良いと思います。

 この当たりたくないブショネですが、ワイン好きになってくると、香りを知りたくなる方も多いようです。私のお店で出てしまった場合、しばらく取っておいて、試験を受ける方や興味のある方に少しお出しして、勉強していただくこともあります。とは言え、やはりせっかく買ったワイン、美味しく飲みたいものです。長年ワイン業界でも大きな問題となっていて、TCAがゼロに近い数値で除去されたコルクが開発されたり、スクリューキャップを導入するワイナリーが増えてきたりと、科学の進歩により少なくなってきています。

 さて、今日はブショネじゃないことを祈って(ブショネに当たることを祈って!?)ワイン飲みましょうか。

2017年9月15日


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