それはさておき、ひとまずワイン

メルロー

井筒ワイン「NACメルロー2014」(左)、ジャン・ピエール・ムエックス社「メルロー2012」

 2015年4月号でシャルドネについてお話しましたが、今回はブドウ品種第2弾「メルロー」についてです。黒ブドウの代表的な品種の一つで、原産はフランス南西部ですが、現在はボルドー地方の代表的な品種でもあり、特に産地の真ん中を流れるジロンド川の右岸(サンテミリオン、ポムロールなど)はメルローがベースとなります。ちなみに左岸(メドック、グラーヴなど)はカベルネ・ソーヴィニョンが主体、メルローはブレンドされます。

 日本でもワイン用欧州系黒ブドウでは栽培面積・収穫量とも第1位です。我が長野県の塩尻市・桔梗ヶ原は名産地として知られています。明治初期に苗木が持ち込まれたようですが、本格的に栽培されるようになったのは昭和後期になってから。長野県では五一ワインの林農園の創業者、林五一氏が1951年に山形より持ち込み栽培を始めましたが、様々な困難があったようです。

 当時、冬はマイナス10度を越えることがしばしばあったそうで、そんな日が多い年の翌年は眠り病(芽が出なかったり、実を付けてくれない病気)にかかってしまい、樹がダメになってしまったそうです。井筒ワインの塚原社長にお聞きしたところ、「諏訪湖の御神渡りがあった年は特に危なかった」とおっしゃっていました。ただ、最近は温暖化のため眠り病はほとんどなくなったそうです。

 ブドウ自体は比較的気候などに適応力があり、今では全世界で多く栽培されワインとなっています。しっかりと造ったものは色が濃く出て、香りはベリー系(カシスやブラックチェリー)、それにカカオ、チョコレートといったビター系の甘い香りもあります。酸が柔らかくタンニン(渋味)もまろやか。色の割にはソフトで丸い口当たりのワインになります。また、ステンレスタンク熟成のものは軽やかでよりソフトに、木樽を使って熟成させたものは凝縮感が増し、重めのワインに仕上がります。

▽個性を知るためにお勧めワイン
(1)ステンレスタンク熟成
  長野県塩尻市 井筒ワイン 「NACメルロー2014」

(2)木樽熟成
  フランス・ボルドー ジャン・ピエール・ムエックス社 「メルロー2012」

 お料理は焼肉やBBQのように“タレ”を使うお肉によく合います。鶏のトマト煮や豚の角煮のような煮込み料理もよいでしょう。比較的濃い割に口当たりが柔らかいのでお料理とも合わせやすく、また渋味がある赤ワインが苦手な方でも入りやすい品種だと思います。

 さて、 今日はひとまず“メルロー”飲みましょうか。

2015年9月16日


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