信州お天気手帖

秋は空から

(画像:日本気象協会)

 ここ数日、朝晩の涼しさに寝冷えを心配したり、温かい飲み物が欲しくなるなど、生活に変化があり、小さな秋への進みを感じることがあります。秋への進みといえば、気象の分野では、「秋は空から」という言葉があります。

 秋は空からとは、空に浮かぶ雲の様子が、真夏から秋へと向かっているということです。ちなみに、雲は発生する高度や形状をもとに専門的には10種類に分類されています。絵を御覧ください。これら10種類の雲は、季節に関わらず発生しますので、これが夏の雲で、これが秋の雲ということはありません。ただ、この時期は、夏にはあまり現われなかった優しい形の雲を目にすることで、その発見に秋への季節の進みを感じるのです。

 夏の主役とも言える雲は、絵の左端の積乱雲です。「乱」という字が使われているように、荒々しい雲で、激しい夕立や雷雨をもたらします。これは、日中の暑さが引き金となって、上空との間に激しい対流が起こることでモクモクと発達します。私は仕事柄、一日に何度も雲の様子を確認しています。この夏も、特に7月下旬以降の天候不順となった時期は、積乱雲の発達具合で、天気急変の有無や地域を見極め、安心したり心配したりを繰り返してきました。

 夏も折り返し、日中の暑さが収まってくると対流は弱まり、積乱雲の発達も控えめとなります。積乱雲が発生しても、山沿いに留まり、平地の天気には影響しないことが多くなっていきます。

 さらに、これからの時期は、大陸で発生した高気圧の一部が日本付近へ移動してくることが多くなります。この高気圧は乾いた空気を持っていますので、日本付近の湿った空気を追い出します。すると、水分たっぷりの積乱雲などではなく、薄い雲が発生しやすくなります。その代表が、はるか上空に発生する巻雲などです。絵の左上に描かれた雲です。上空の水分が冷えてできた雲ですが、水分は少ないため、雨を降らせることはなく、穏やかな雲です。上空の風に流され、形を様々に変えるため、観察していても飽きない雲です。また、日差しを通すほど薄いため、夕暮れ時などは鮮やかに染まる姿も魅力的です。

 こんな風に、薄い穏やかな雲が目立つようになると、対流の衰え、すなわち夏の衰えを感じます。これは気象予報士独特の感覚なのかもしれません。

 皆さんも、雲の観察をして、季節の進み「秋は空から」を感じてみてはいかがでしょうか。

 さて、今後の天気です。9月は曇り雨の日が多い予想で、特に上旬、下旬は雨が降りやすいです。夏の天候不順もあり、農作物には生育の遅れ等、影響が生じている品種もありますが、収穫のタイミングや消毒などの管理に注意してください。また、雨の後は気温が一気に下がることもあります。肌寒さや寒さ対策として、腹巻やレッグウォーマー等、体を温めるアイテムをうまく活用してください。

2017年8月29日


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