暮らしの調味料

白神の森

秋田蕗(ふき)

献上もやし

淡竹のあく抜き

 ちょうど芽吹きのころ、東北を巡る機会に恵まれ、世界最大級の橅(ぶな)の原生林、白神の森を歩いた。以前から「白神」と言うと、私にとっては天然酵母が生まれ、長野市でも手軽に「白神天然酵母」を手に入れることができる酵母の里。木曽のすんきは、地元の天然酵母を抱え込んで、初めて無塩の漬け物ができる。白神も「すごいんだろうな」「どんな所かな」と興味津々。そこは、深く、湿りを含んだ森の中に、いくつもの小さな湖や池、沼が点在し、色とりどりの顔をもっていた。コバルトブルーだったり、透明だったり。橅が抱え込んだ水を幾つかの湖にしたのだろうな、と。

 地元の店の方に「白神天然酵母はありますか」と問うと、「東京の方にはあるらしいよ」との返事。どこで聞いても同じ返答。「えっ、地元にはないんだ」彼らのまるで興味のない反応に驚いた。この空気の中にいると、ここから採取した酵母なんていらないんだろうね。地元に来ないと分からないことってあるんだな。長野で白神酵母を見るたびに、神々しいあの森の空気がよみがえる。今ごろはさぞかし涼しいだろう。

【写真上】秋田蕗(ふき)
 東北の白神の森で出合った秋田蕗。大きくて、太くて直径3.5センチもあった。地場産コーナーで買うことができた。自宅で早速煮てみた。硬くて食べられないと思ったのに、すんなりと私の鍋の中でおいしい煮物になってくれた。

【写真中】献上もやし
 もう一つ、東北の食材。同じ地場産コーナーで、30センチもある、絹のように細いもやしを見つけた。以前テレビで特産として放映していたもの。「あった、見つけた」と買い込んだ。夜、津軽三味線を聴きながらの居酒屋でおひたしとサラダを注文。細いのに歯ごたえがあって、何とおいしいこと。ゆでて一口に切り、酢じょう油で鶉(うずら)の卵をちょんと添えて。サラダより一段上級。地元の方は「献上品だから庶民はあまり食べないよ」。えっ、もったいないこと。

【写真下】淡竹のあく抜き
 採れたてはあく抜き不要と言われるけれど、購入した淡竹は不安で一応、糠であくを抜く。その後は煮物に、佃煮、姿焼きとさまざまにに食べつくす初夏の味。

2017年7月15日


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