暮らしの調味料

続・御形(ごぎょう)の簾(すだれ)

外掛け・御形の簾

黒文字とお菓子

目高の水鉢

 先日、春の嵐に見舞われた。窓にバタ、バタと当たる外掛けの簾の音に“大変だ”とばかりに、巻き上げ、風を防いだのだが。何と、殺風景な趣の無い部屋になり、びっくりした。昔から日本家屋は廂(ひさし)があり、その奥に畳幅の廊下が巡らされ、そこの奥に部屋があったので直射日光にさらされることはなかった。

 現代は、この空間の使い方はぜいたく極まりない。我が家もサッシの戸を一枚仕切りとし、すぐ部屋になるので、南側はどうしても簾が必要になる。多くの家は窓の内側にレースのカーテンをしているが、私は簾が好みで使っている。この簾は江戸簾と呼ばれ、すでに江戸時代は高貴な身分の人ばかりでなく、商家などにも普及していたと、製簾所のご主人にうかがった。

 西欧諸国には、決して無い和のインテリア。外光を適度に通しつつ、すき間からうかがえる、今日の空文様がなんとも美しい。簾の無い窓は全天候型の家庭、その反対、有りの窓は憂いも喜びも、そっと抱え込める、そんな包容力を醸してくれる。

【写真上】外掛け・御形の簾
 外から見たところ。長さはひもで上下させ、調節。

【写真中】黒文字とお菓子
 ゼリーを砂糖で固めた桃色の美しいお菓子。ただ、菓子皿に載せるのは惜しいので、黒文字の枝に刺してお客さんにお出しする。“えっ”とか、“あっ”、“何?”この顔が面白い。

【写真下】目高の水鉢
 冬中、家の南側に目高の水鉢が置いてある。五月から外に出すようにしている。水鉢の中は水草のいろいろが育ち、面高(おもだか)が早々、白い花を咲かせてくれた。正月に食べる慈姑(くわい)は、この変種というが、私は花を愛でるだけで満足。

2017年5月01日


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