暮らしの調味料

私のいい日

雛のしつらえ

草の苔玉

雪菜の辛子和え

 にんじんの切り口から出た芽、大根、赤かぶ、それらがガラスの器で、いっぱいに広がっている。台所畑といったところ。水と光と、ただそれだけで青々と育ってくれた越冬野菜の新しい芽。それを見るだけで、朝はいい日の始まりとなる。庭に出てみると、クリスマスローズが咲き、山茱萸(さんしゅゆ)は黄色くほころび、福寿草は満開。いろいろな芽が枯葉を持ち上げている。庭の花々は水と光に堆肥もプラス。

 たまっている返事をはがきに、この人は封書に、この方には気持ちばかりの品を添えてと、書きつづる。もう一度台所に戻って、あれやこれやの保存食作りをする。

 歳を重ねると時間があっても気力の伴わないことも多い。休日と、気力が一致すると、「一気呵成」とばかりに、気に留めていたいろいろが片付く。「ああ、清々した」と、春の夕日を眺められたら、これが私の一番いい日となる。「気力」「元気」「体力」。これが私にとっての堆肥かなと、春の花々を眺めながら思う。

【写真上】雛のしつらえ
 旧暦の雛祭り。貝の型をしたお重に大はまぐりだったのか、大あさりなのか、食べた殻を取り置き、菜の花を一緒に入れる。貝殻はちらし寿司を盛りつけたり、いろいろに毎年使う、重宝な私の器になってくれる。

【写真中】草の苔玉
 本当は春蘭の苔玉なのに、草々が勢いよく玉をいっぱいにする。春は芽吹く、どんな草もいとおしく楽しみの元になる。ここにこんな草の種や根があったのかと、一つ一つ野草図鑑を開いたりしながら。

【写真下】雪菜の辛子和え
 雪の下で耐えていたお菜をゆでて、和辛子で和える。お菜そのものが、少し苦みがあって、春らしい。粉の辛子をぬるま湯でとき、薄口しょう油でのばして和える。蕗の薹(ふきのとう)と並ぶ春の味を堪能。

2017年4月01日


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