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だましだまし「日薬」

水鉢の侘助(わびすけ)

山茶花

水仙と柊(ひいらぎ)

 「ずきっ」「ぎくっ」。風呂掃除をしているとき、台所で鍋を持ったとき、いつも変わらない仕事をしているだけなのに、体のあちこちが痛むときがある。周りの友達や知り合いにも「大腿骨が」とか、「股関節の手術をしたの」など、大ごとになった人も多い。

 私も3年ほど前、左の肩がひどく痛み、運転に不自由をきたしたり、寝返りも打てない経験をしたりした。私より若い友達が肩の筋が切れていたと、4ケ月も首から布で腕を吊っていたので、これは一大事とばかりに、すぐ病院でレントゲン検査をすると、「五十肩です」との診断。治療と言えば、温かい光を当てて、湿布だけ。とうに、五十歳を過ぎても、五十肩かと笑って帰り、それきり病院には行かずじまい。この年齢でどこの関節も筋肉も筋も痛まないということはあり得ない。

 どうにもならない場合は別として痛いところをなでたり、もんだり、温めたり、「お願い、もう少し私と付き合って」とばかりに懇願する。「だまし」にも近い。体の痛みも、つらい目に遭うのも同じ。忘れたい失敗の数々も「だましながら『日薬』(ひぐすり)」、昔の人は良く言ったものだ。忘れたり、一日一日、遠のいていくことが「日薬」とは。私の五十肩も「日薬」ですっかり良くなったのだから。この処世術はなかなかのもの。

【写真上】水鉢の侘助(わびすけ)
 1月中旬、北信地方は大雪に見舞われ、一面真っ白。水鉢の侘助は鉢の中ですっかり冷凍になったまま。わらぼっちをかぶりながら。

【写真中】山茶花
 大雪の中でも咲いてくれていた山茶花が雪の上に花びらを散らす。とても美しくて、これは大雪でないと見ることの出来ないコントラスト。

【写真下】水仙と柊(ひいらぎ)
 水仙の根元を水引でしばり、柊を添える。節分に合わせてしつらえをする。

2017年2月01日


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