暮らしの調味料

日本酒

錦木

秋刀魚のさらだ

渋柿

 先日、東信地方の蔵元の新酒お披露目に、出合うことができた。何と、幸運なんでしょう。何しろ、私は大の日本酒好き。両親は、それほどの酒豪ではなかったけれど、「母方の叔父に似てるのね」なんて、親類に言われるほど。

 新酒の神事は、神主によって蔵の中で厳かに執り行われ、杉玉が軒先に掲げられた。日本酒こそ、国酒であり、地産地消の代表的なものだと思っている。山紫水明の地にあり、水、米、空気とともに抱え込んで発酵し、風土そのものの滴り。この中の一つが欠けても日本酒にならない。ことに、水の重要性は大きい。良い水で酒米が育つのだから。どこの蔵も「どこどこの水で」と銘打つ。それに比べると、ワインは果汁100%。大きな違い。

 その日の酒肴は、野菜の粕もみ、板粕のあぶり、烏賊(いか)の網焼き、根菜汁、粕漬け白うり、野沢菜漬け、いなり寿司に、かんぴょう海苔巻き寿司。米から醸された酒とともに和食の肴をさらに引き立てる。和やかにわいわい酌み交わしながらも、取り巻く、神を感じないではいられない至福の時だった。

【写真上】錦木
 小真弓(こまゆみ)ともいわれるけれど、我が家の垣根できれいに紅葉してくれた。この紅(あか)さが何とも言えず、美しい。切っても、春には再び大きく枝を伸ばしてくれるのも、頼もしい。待ちに待って、玄関の壺に思い切り入れる。時間によって窓越しに陽が当たると、一段と冴える。

【写真中】秋刀魚のさらだ
 秋刀魚は、腸(はらわた)ごとちょっと塩をふり、炭火焼きが一番おいしいけれど、たまには3枚におろし、くるくる巻いて、いろいろな野菜と一緒にするのも、とてもいい。採れたての水菜、白菜、そして柚子を薄切りにして全体を混ぜ合わせ、こしょうやしょう油を好みでちょっとふって。秋真っ盛り。
 
【写真下】渋柿
 「渋柿だけど、もらってくれない? 」「いる、いる」とばかりに山ほどいただいた。あまり立派なので柿酢にしてしまうのはもったいない。しばらくかごに入れて眺めたい。黄昏てしまわないように、家の中で一番低温な玄関に置き、来客とともに楽しむ。おまけに枝付きの小りんご。一つずつ野菜ジュースに加えると甘味が増すと、くださった方が教えてくれた。食べるのも惜しいほどかわいい。

2015年12月01日


バックナンバー

楽しむ

エンタメコラム
特選お役立ちコラム
中島麻希 信州FOOD記
成沢篤人 それはさておき、ひとまずワイン
横山タカ子 暮らしの調味料
東京アート日和
信州スポーツ
信州お天気手帖
イベント情報
イベント情報投稿
書籍・CDランキング
グローバルメニュー
  • 信毎デジタルパスポート
  • 信毎の本オンラインショップ
  • 信毎イベント&チケット
  • 信毎オリジナルグッズ