暮らしの調味料

漬物石

台所の調理道具、石

長押(なげし)

蒸し野菜

 夏、家族で遊ぶ河原の楽しみは、石を拾うこと。何に使うかって、それは、台所で漬物の重石にするために。

  信州は海というわけにはいかず、やはり近い河原が一番。大きさは、手のひらサイズの丸、三角、四角で、家の漬物器を思い出しながら探す。ゴツゴツ、ザラザラせず、山から河原に下りつつ、角の取れた石。家に帰って、大きい鍋でぐつぐつ煮て殺菌し、陽に干すと我が家の台所道具の一員となる。

 ちょっとの白菜やキャベツ、夏はきゅうりになすと、一夜漬けというより、一時(いっとき)漬けの重石に重宝する。それぞれに、表情と個性があり、ほかでは代用できない面白みもある。大きい樽の、特大の重石とは、また、別物で、あくまでも台所の調理道具の一つである。

 飛騨高山に無添加の漬物屋を訪ねたとき、そこの社長さんからも「漬物には食材、重石とともに地元のもの」と、こだわりをお聞きした。やはり、セメントの塊やビニール製ではダメと。私も同感で、感激した。私の祖母は河原の砂利は鉄分が多いので、なすの砂利漬け保存に一番と、毎年、なす紺の漬け上がりを堪能していたことを思い出す。

 河原の石って、誰ものだろう。軽トラック1台も運ばないのだから、毎年の1、2個はゆるしてくれるかな、と願って。

【写真上】
大き目の器には、3個、4個と使う。

【写真中】
和室には、長押(なげし)と呼ばれる平材がある。物を掛けるにはちょうど良いのだけれど、クリーニング店のハンガーなどは長押が泣く。善光寺の院で見かけた兎の形がとても気に入り、同じものを大工さんに作ってもらった。長押は物掛けではないけれど、急な来客に使い、普段は眺めて楽しんでいる。釘の一本も使ってないのも好ましい。

【写真下】
もう終わりの越冬野菜を使用。じゃがいも、白菜には、豚肉薄切りを巻いて。彩りにわかめ。たれは、2年もののにんにくしょう油糀。にんにく、しょう油、糀を同量混ぜたもの。滑らかで大好評。


2015年4月01日


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