信州FOOD記

軽井沢町から世界へ~アメーラトマト

<上>選別されたトマトをパック詰。一つ一つ丁寧に行われていました <中>収穫間近のアメーラ。少し青い状態で収穫します <下>食べごろを迎えたアメーラ。ぎゅっと詰まったトマトです

<上>30棟ほどのハウスが建ち並んでいます。全国でもここまで大きなトマト農園はあまりないそうです <中>ハウス内。点滴を使用して水分管理をしているそうです <下>スリランカ産のヤシの木から出来た土を使用してトマトを作っています

<上>「アメーラ」とともにサンファーム軽井沢で作られているプチトマト「ルビンズ」 <中>パックに入ったルビンズは一口サイズで糖度も更に高いトマト <下>山川貴史さん(左)と栁澤俊彦社長

 2~3年ほど前、あるイタリアンレストランで食べたカプレーゼ(トマトとモッツァレラチーズ、バジルのサラダ)のトマトがあまりにも美味しく、「このトマトってどこのトマト?」と聞いたことがありました。それは「アメーラ」という品種。一般的にいう“フルーツトマト”ですが、甘酸っぱい味がいつも食べるフルーツトマトよりもとても美味しく、アメーラという名前とともに印象に残りました。実はアメーラ、軽井沢町で生産されていたんです。今回はそのアメーラを生産している「サンファーム軽井沢」さんを訪ねました。

 浅間山麓にある施設には、思ったよりもたくさんのハウスが建ち並んでいます。サンファーム軽井沢の栁澤俊彦社長(65)は、もともと高原野菜を生産する農家でした。アメーラは静岡県の農業試験場で生まれたトマト。13年前、高原野菜は手がかかる割に利益が少ないことから栁澤社長はハーブを作ろうと思い、静岡県にあるベビーリーフの生産農家に見学に行ったそうです。そこで、ベビーリーフとともに作られていたアメーラに興味を持ちました。

 静岡県の生産農家も、夏場は高温多湿なことからアメーラがうまく作れないことに悩んでいました。夏でも冷涼な軽井沢で作ってみないか?と打診されて作りはじめたところ、うまく出来ました。軽井沢の風土はアメーラと相性がとても良かったそう。栁澤社長は「サンファーム軽井沢」を組織し、本格的に生産に乗り出しました。

 アメーラの生産は今年で9年目のシーズン。4.7haの生産面積に30棟のハウスが並び、従業員も30代を中心に50人が働いています。1日1トンを収穫し、主にデパートや有名レストランなどに出荷。年々その人気も高まっているそうです。フルーツトマトの大きな特徴は「甘さ」。サンファーム軽井沢は、冬場の糖度8度、夏場7.3度というの基準を設けていますが、このアメーラはただ甘いだけではありません。甘さ加え、酸味のバランスがとても良いのが特長です。口に入れると、甘さと同時に口いっぱいにコクが広がり、程よい酸味が楽しめます。

 糖度の高いトマトを作るには、水分を極力少なくすることが欠かせないそうです。これを「水分ストレスをかける」というそうですが、この調整が難しい。出荷場マネージャーの山川貴史さん(31)は「季節や天候にも左右されるので水分量のバランスをとることが難しい。マニュアル化はできず、“人の手”がないとできない」と話します。

 夏場は糖度を高くすることが難しいとされていますが、「より多くのお客様に美味しさの感動を」(山川さん)という思いから、夏場の糖度基準を年々上げているそうです。発種に1カ月、定植から収穫まで2カ月。そこから2カ月間、同じ株から収穫できるそうです。時間差で収穫するため1人で4棟のハウスを受け持っています。別のハウスの担当者同士、常に情報交換を行い、安定したトマトがつくれるよう日々努力しています。

 アメーラは、農場にある直売所で購入することができます。口コミで軽井沢での人気も広がり、朝8時の開店から数時間で売り切れてしまうそうです。年々長野県内での販売量も増えてきており、デパートや大型スーパーでも購入できるようになりました。「もっと美味しいトマトを作りたい」と栁澤社長と山川さん。世界一のフルーツトマトを目指します。

 取材中、トマトをお皿いっぱい出していただきました。本当に美味しくて、あっという間に平らげてしまったこともご報告します。栁澤社長と山川さんによると、今の季節(春)が年間を通して一番トマトが美味しいそうです。“常温の生”で食べるのが一番美味しいとのことですが、意外と和食にも合うそうで、天ぷらや出汁で煮たりしても美味しいそうですよ。私はどうしても夏に冷やして食べたくなってしまうのですが…。

2017年4月18日


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