信州FOOD記

大自然で育つ放牧豚~小谷村の小谷野豚~

小谷村石坂地区の里山で放牧されている豚たち。自由に食べて、遊んで、寝て、ストレスの少ない豚は上質なお肉となります

道の駅おたり内の「鬼の厨」で食べた「温玉カツ丼」。旨味たっぷりのお肉です

自然が豊かな小谷村。のどかな原風景が広がります

 豊かな自然と日本の原風景を見ることができる長野県北西の県境にある小谷村。この小谷村に、大自然の中に放牧して育てるブランド豚があります。「小谷野豚」です。

 小谷村では昭和の時代から放牧によって豚を育ててきました。今から3年ほど前に「小谷村野豚生産者組合」を立ち上げ、現在5名の組合員が年間250頭の野豚を育てています。小谷村は全国的にも有数の豪雪地帯のため、放牧できる期間は短く、雪が解けた4月下旬から今年の放牧が始まり、初雪の頃まで続きます。5軒の生産者が約50頭ずつ、時期をずらしながら育てています。

 今回、石坂地区で放牧豚を育てている小林守さんを訪ねました。放牧されていたのは山の傾斜にある林です。小林さんが声をかけると豚が一目散に寄ってくる姿が何とも愛嬌があります。慣れない人のところには寄ってこないそうで、案の定、私は警戒されている様子でした…。

 特に“一日の予定”のようなものは決まっていないそうで、好きな時に餌を食べて、走りまわったり昼寝をしたり、土を掘ったり…。ストレスのない生活をしている豚たちはとても穏やか。一般的な飼育豚に比べ放牧して育てるため、運動量が多く、規定の体重に達するまでの飼育期間が長いのだそうです。

 餌には良質の脂肪を作るために通常の餌に加え小麦を入れているそうで、「一番の特徴は脂肪。とてもサッパリしていて美味しいんです」と、 組合の代表、松井康彦さんは言います。小林さんも「小谷の放牧豚は本当に旨い!」と力説。豚は一日1キロずつ体重が増えるそうで、食べる餌の量も1日3キロ。これは通常の豚に比べると20%多いそうです。日向ぼっこをしたり、日陰で休んだり、豚たちは自由に野山とともに育っていました。

 さて、この小谷野豚ですが、村内の「道の駅おたり」内の食事処「鬼の厨」で食べることができると聞き行ってきました。野豚のメニューはトンカツと温玉カツ丼、そしてコロッケなどがあり、あとは日替わりかまど飯定食のおかずで出てくることもあるそうです。私は、人気だという「温玉カツ丼」を選びました。温泉卵をかけて食べるカツ丼ですが、まず肉の美味しさに驚きました。松井さんや小林さんが言う通り、脂身がサッパリしているのです。赤身の部分と同じような味わいで、かといって薄い味でもなく、豚特有の旨味をたっぷり感じることができるお肉でした。これなら、豚肉が苦手という方でも食べられそうです。

 「鬼の厨」の売りでもあるかまど飯との相性も抜群でした。 この「小谷野豚」ですが、8月初旬から年内いっぱいの限定発売で、村内のJAや安曇野の精肉店で入手可能だそうです。肉の質が良いので、冷凍しても味が劣化しにくいそうで、道の駅では年間を通して食べることが可能です。大自然の中で育った「小谷野豚」、ぜひ食べてみてください!


2016年5月15日


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