信州FOOD記

これぞカップ麺の元祖!~信濃町の凍りそば~

厳しい寒さと豪雪で知られる信濃町。野尻湖ではこの時期、ワカサギ釣りの観光客が多く訪れます

手作り感満載、一口大の凍りそば。江戸時代から伝わる製法で手間暇かけて作られます

碗種として。ネギを入れてもおいしいそうです。油でさっと揚げるとお酒のおつまみとしても美味

 新潟県との県境にある上水内郡信濃町。野尻湖が有名ですが、この町に、元祖即席麺とも言える麺があるのをご存知ですか? 「凍(こお)りそば」。江戸時代末期から一茶の里、柏原地区に伝わる郷土の味です。

 ここ、信州では、昨年このコラムで紹介した寒天をはじめ、凍(し)み豆腐、凍り餅など、寒さを利用して作られる食べ物がたくさんあります。凍りそばもその一つ。小寒から大寒の頃、夜間の厳しい冷え込みを利用して作られる凍結乾燥のそばです。

 作り方はまず、茹でたそばを一口大の“輪っこ”にし、敷き並べたものを外気に晒(さら)し凍らせます。凍ったそばを納屋(屋内)に並べ、1カ月ほどかけてじっくり乾燥させると「凍りそば」となります。とても“ずく”を必要とするものなので、戦後の一時期は廃れていたそう。それを地元の人たちが郷土食として復活させ、今ではこの時期になると町内の道の駅や土産物店で販売されています。

 さて、この凍りそば、どのようにして食べるのでしょうか。昔はお吸い物の種としてハレの日のご馳走として食べたり、来客時のおもてなし料理として食べられていたそうです。私もお吸い物にして食べてみました。インスタントラーメンのように、戻るのに3~4分かかります。しかし、食べてみると、即席麺とは明らかに違います! まず、香り。そばの香りがふわっと立ちます。そして、十割そばで作られるため、特有の食感もしっかり残っていました。

 マイナス10度以下になることも珍しくないという信濃町で、極寒に耐えながら作られる凍りそば。冷蔵庫などもなく、食料の保存が難しかった時代の知恵といえます。今では即席麺や味噌汁など、フリーズドライの食品は多く存在しますが、この凍りそばはその元祖と言えるのではないでしょうか。

 油で揚げて食べてもおいしいそうです。この時期にしか食べられない「凍りそば」をぜひ食べてみてください。

2015年2月23日


バックナンバー

楽しむ

エンタメコラム
特選お役立ちコラム
中島麻希 信州FOOD記
成沢篤人 それはさておき、ひとまずワイン
横山タカ子 暮らしの調味料
東京アート日和
信州スポーツ
信州お天気手帖
イベント情報
イベント情報投稿
書籍・CDランキング
グローバルメニュー
  • 信毎デジタルパスポート
  • 信毎の本オンラインショップ
  • 信毎イベント&チケット
  • 信毎オリジナルグッズ