信州FOOD記

新しい松代名物「杏おこわ」

松代城

杏おこわパッケージ

杏おこわ

 1月にはじまった「信州FOOD記」も今回で5回目。 木曽路、松本、伊那、上田と書いて来ましたが、今回は私が生まれ育った町、「松代町」をご紹介しようと思います。

 長野市の南部に位置するこの松代町は、真田十万石の城下町として知られ、松代城(私が子供の頃は海津城と呼ばれていました)、真田邸、文武学校をはじめとする歴史的建造物や、当時を思わせるまちなみや伝統が色濃く残る町です。また、江戸時代後期には松代藩の儒学者、佐久間象山、山寺常山、鎌原桐山の“松代三山”を輩出しました。

 現在、多くの観光客が訪れる情緒溢れる町です。

 さて、そんな愛すべき松代町。フードアナリストという食に関する仕事を始める以前から、観光で訪れる友人知人からよく聞かれることがありました。 「松代に行ったら何を食べれば良い?」 正直、この質問をされるといつも“うーーーん。。。”と考えてしまっていました。

 決して、食事をする場所がないというわけではないのです。でも、例えば、小布施町だったら「栗」とか、戸隠だったら「おそば」のような、いわば“名物が何か”と言われると困ってしまうのです。

 そんな中、数ヶ月前、ある食べ物の試食を頼まれました。それが「杏おこわ」です。

 1673年、松代藩主・真田幸道公のもとへ、伊予の国(現在の愛媛県)より豊姫様(とよひめさま)が15歳で輿入れした時に、父の伊達宗利公が「淋しかろう」と故郷の唐桃(杏)の苗木を持たせたそう。その思いを受け、松代藩では杏の木を増やし、春、ピンクに染まる風景が姫を慰めたと言われています。現在、ここ松代町は隣の千曲市と並ぶ杏の生産量を誇ります。

 「杏を使って何か作れないか」という町を上げての取り組みの一環なのですが、私は試食する前、まったく期待をしていませんでした。杏というと、どうしても、ジャムやシロップ漬けなど、スイーツとしてのイメージがあり・・・。

 でも、はじめて食べた瞬間、そのイメージが覆されました。杏のさわやかな酸味とほのかな甘味がもち米との相性が良いのです。これには驚きました。聞けば、おこわ用の干し杏を作るのに、試行錯誤を重ね、数年を要したとか。そんな苦労や思いがいっぱい詰まった「杏おこわ」。キレイなオレンジ色もまた食欲をそそります。

 この「杏おこわ」はこれから先、松代町を代表する名物となることを私は確信しています。  ゆっくりと松代のまちなみを楽しんだあと、是非この「杏おこわ」を味わってみてください。ちょっと甘酸っぱくて優しい、青春時代を思わせるような、そんな味がしますよ。

※「杏おこわ」は松代町のカネマツ倶楽部さんにて購入可(一人前650円、6個~)3日前までに要予約。

*****

カネマツ倶楽部
長野市松代町松代583
電話:026-278-1501
定休日:土・日・祝日
http://www.s-kanematsu.jp/index.html

【写真上】松代城
松代城跡。2013年に公開された三谷幸喜監督の映画「清洲会議」のロケ地にもなりました。

【写真中】杏おこわパッケージ
杏の実と花をあしらったパッケージ。お祝い事にも喜ばれそうです。

【写真下】杏おこわ
オレンジ色が映えるおこわ。添えられた箸休めのキャラブキもまた杏おこわの美味しさを引き立てます。

2014年5月10日


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