信州FOOD記

信州人は辛子好き?!

縁起物として販売されている「からしあげ」。“タンパク質が豊富な油揚げを食べて冬を乗り切ろう”と始まったのではないか、という宮司さんのお話。粕汁とともに、これを食べたので、今年一年元気に過ごせそうです!

「からしいなり」。「辛子が入っていなければいなりじゃない」という松本っ子も多い。“また食べたい”と思ういなり寿司です。

真っ赤に燃える篝火。大勢の人が、この火にあたり、粕汁を飲んで、からしあげを買いもとめていました。願いはひとつ、「無病息災」。何よりです。

 皆さん、いなり寿司は好きですか?

 私は去年、全国のいなり寿司を食べ歩く仕事がありました。北は青森から、南は沖縄のものまで。全国には色々は特徴を持ったいなり寿司があります。大きさ、色、形、そして味も様々。

 今まで苦手だったという人も、全国を探せば、必ず一つはお気に入りが見つかるはず!というぐらい沢山のいなり寿司があります。今日は、その中の一つ、信州を代表する松本市の“ご当地いなり”をご紹介します。

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 “辛い!!これはロシアンルーレット??”

 初めてこのいなり寿しを食べた時の印象。

 私にとって、いなり寿司といえば、よく母が作る一般的な(我が家では)甘辛く煮た揚げに酢飯を入れたものでした。

 ところがこのいなりは食べた瞬間に口いっぱいに辛子の味。まさか辛子が入っているとは思いもよらず、とても驚いたのを覚えています。それが「からしいなり」との出会いでした。

 なぜいなり寿司に辛子が入るようになったのか。今回はそのルーツを探るべく、松本市に行って来ました。

 松本市にある国府八幡一宮筑摩神社(通称:筑摩神社)。この神社では毎年1月14日に“篝火(かがりび)神事”が行われています。

  一年の無病息災を願って行われるこの篝火神事では、拝殿で厄払いの祈祷をした後、篝火を焚き、鮭の入った“粕汁”がふるまわれます。そして、粕汁とともに、この篝火神事に欠かせないものが「からしあげ」です。

 大きな揚げが2枚と辛子が添えられた「名物からしあげ」。いつから篝火神事で「からしあげ」が売られるようになったのかは宮司さんたちもわからない程、歴史が長いものだそう。

 篝火神事の火にあたり、粕汁とからしあげを食べると一年健康でいられると言い伝えられているそうです。

 さて、この「からしあげ」と「からしいなり」の関係。この篝火神事のからしあげを使っていなりを作ったのではないか?というのが通説。松本市では馴染み深い「からしあげ」を使って作ったいなり寿司が広まっていったのではないでしょうか。

 からしいなりは、味付けした油揚げを裏返しにして、中に辛子をぬり、酢飯をつめたもの。辛子の辛味が加わることでピリっと引き締まった味は、他県にはない、信州が誇る「ご当地いなり」です。

 最近では、松本市だけでなく、県内のスーパーなどでも見かけるようになったので、見つけたら是非食べてみてください!

 そういえば、やはり信州のソウルフードともいえる「あんかけ焼きそば」は“辛子酢”がつきものだし、冷や奴の薬味も辛子。(これは北信だけでしょうか?) どうやら信州人は辛子が好きなんですね。

2014年2月10日


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