信州FOOD記

妻籠宿を歩く

袖卯建を持つ出梁造りの民家が軒を並べる妻籠宿。江戸情緒あふれる町並みに懐かしさをおぼえます。

ツヤのある太めのしっかりしたおそば。噛めば噛むほどに口いっぱいにそばの香りが広がります。

香ばしく焼き上がった五平餅にはクルミ、ゴマ、ピーナッツがたっぷりの甘い醤油ダレがたっぷり。

 江戸時代の幹線道路“五街道”のひとつ、中山道。江戸から高崎、塩尻などを通って京都までをつなぐ重要な街道で、道中には69もの宿場があり、軽井沢宿から妻籠宿までの25宿が現在の信州にありました。

 「木曽路はすべて山の中である」  と、島崎藤村の「夜明け前」の冒頭にもありますが、中山道は山深い木曽路を通ることから「木曽街道」とも呼ばれていました。

 中山道六十九次のうち、江戸から数えて42番目の宿場町で、今なお江戸情緒も残る「妻籠宿(つまごじゅく)」を訪ねました。

 妻籠宿は「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されていて、妻籠の人たちは「売らない、貸さない、壊さない」を中心とした住民憲章をつくり、生活をしながら、江戸時代の町並みという貴重な財産を守り続けています。

 御本陣、脇本陣をはじめ、江戸時代にタイムスリップしたような感覚に陥る建物が立ち並ぶ道を、江戸時代に、かの皇女和宮さまも通られたのか、などと思いを馳せながらゆっくりと歩きました。

 「夜明け前」にも開局当時の様子が書かれている妻籠郵便局。なんと、今でも郵便配達の方は当時の格好(ヒノキ笠と法被)で配達しています。運がよければ一緒に写真も撮ってもらえますよ。

 さて、お楽しみの昼食です。

 この妻籠宿内には13軒の宿と14軒の飲食店がありますが、この日はその中のひとつ、「吉村屋」でおそばをいただきました。

 実は、木曽のおそばはこの日が初体験。

 見るからにしっかりした感じのおそばは口に入れてもやっぱりしっかり。普段食べる北信のそれとはまったく歯ごたえも味わいも違います。冬には、カブ菜を塩を使わずに乳酸菌だけで発酵させた「すんき漬け」を温かいおそばにのせた「すんきそば」もこの地域の郷土料理のひとつです。

 そしてもう一つ。南信といえば「五平餅」。

 神に捧げる「御弊」の形をしていることが名前の由来で、お米が貴重な時代にはハレの日の食べ物として、祭りやお祝いの席で食べられていたそう。北信でいうところの「おやき」のような存在ですね。 こちらは「湯屋」さんで。 妻籠宿の湧き水で育てたこしひかりのご飯をつぶしてサワラの串につけ、クルミ、ゴマ、ピーナッツがたっぷり入った醤油ダレを付けて焼いたもの。地域によって様々な形がありますが、この日にいただいたものは団子型でした。もっちりした食感にちょっと焦げた醤油ダレが香ばしく、甘いものは別腹といいますが、まさにそれで、昼食後にもペロリと平らげました。

 それにしても、江戸時代の方々の脚力って今では考えられないですよね。。 私は、数時間、この妻籠宿内を歩いただけでも「あぁ、歩いた~!!」という感じでしたが、当時の方はずっと歩いて旅をしていたわけですから。

 「妻籠宿」、江戸の風情を感じながら、木曽の美味しい郷土料理を堪能してみませんか。

 ☆☆☆

 フードアナリストの中島麻希です。

 信州には多くの観光名所とともに、沢山の美味しいモノ、美味しい食材が存在します。豊かな土壌、古くから伝わる食文化、きっと私がまだまだ知らない“美味しい”も多く存在するはず。

 これから、長野県内を中心に“美味しい”を探し歩きながら、信州の良さを皆さんにご紹介して行こうと思います。どうぞよろしくお願いします。

■妻籠宿周辺の名物、名産品
 すんきそば=冬季
 栗菓子
 ほお葉巻き=初夏
 赤たつ漬け
 柿其(かきぞれ)みそ

■アクセス
 中央道飯田山本ICより

2014年1月15日


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