信州FOOD記

「名物じゃないよ!」の人気ごはん~さばごはん

サバ缶がたっぷり入った「さばごはん」。甘めの味付けで老若男女に人気です。1人前パック300円、大盛り(1人前の2倍)が500円

パッケージも何種類か用意し、イベントによって変えているのだそうですが、最近一番評判が良いのが左のもの

信州いいやまぜにがめ堂(飯山市南町)の前で岩崎さん

 何を隠そう、私、無類の“サバ好き”です。サバ寿司、シメサバ、サバの塩焼きなど、“サバ”とつくものにはつい反応してしまいます。最近、知り合いのSNSを見ていたら「さばごはん」という投稿が出てきました。知る人ぞ知るメニューながら幻と呼ばれるほどなかなか手に入れられないそう。このほど、やっと食べることができたーというものでした。すぐさまその知人、沼田浩子さん(飯山市)に聞いてみました。

 サバゴハンは飯山地域のイベントなどで売られるそうなのですが、いつも早くに売り切れてしまい、行っても入手できないことが続いていたとのこと。友達が入手して届けてくれたおかげで初めて食べることができたということでした。人気のさばごはんとは、どんなものなのでしょうか?

 製造しているのは、飯山市にある「ぜにがめ堂」というお店。ここは飯山地区の伝統料理、笹ずしをメインに扱うお店です。店主の岩崎孝典(こうすけ)さん(53)は飯山市出身。19歳の時に県外に出て、長くホテル業界などで勤務していましたが、9年ほど前に父親の病気がきっかけで帰省。40歳を過ぎていた岩崎さんは「自分で何かやろう」と思い立ち、名物の笹ずしを作ることにしました。移動販売などで笹ずしを売るかたわらイベントなどにも呼ばれるようになり、何か別のものも売ろうと考えたそうです。

 サバ缶の消費量が多い長野県の中でも、特に地元飯山での消費が多いことを知った岩崎さん。根曲がり竹の時期にサバ缶でつくる「サバ竹汁」の美味しさを思い出し、サバ缶を使って炊き込みご飯を作ることにしました。すると、意外にも売れ行きが良かったそうです。

 売れるにつれて市販のサバ缶を使うことに後ろめたさもあり、生サバを圧力鍋で煮てから炊き込むという方法に変えてみました。「ところが、『サバ缶を使った前の方が美味しかった』という声が多かったんです」と岩崎さん。そこで、煮た生サバで「サバ竹汁」も作ってみたところ、やはりサバ缶で作ったものに比べ美味しさを感じなかったそうです。あらためて、慣れ親しんだ「サバ缶」の良さを再確認。「さばごはんは、サバ缶を使ったものでやっていこうと決めました」と言います。

 市販のサバ缶のほか地元産の「ブナシメジ」を一緒に炊き込んでいるシンプルなさばごはん。春だけの限定で根曲り竹が入ります。口に入れると、しっかりとしたサバの味が真っ先に主張してきます。少し甘い味付けで、昔祖母が作ってくれた鯖缶を入れた煮物のような味がして懐かしい気持ちになりました。サバ竹汁に慣れた信州人には受け入れやすいのではないでしょうか。

 イベント販売だけのさばごはんですが、8人前からの予約販売もしています。通常は笹ずしや信州サーモンの笹ずしを一人で作っています。忙しい時は「小さな加工場連絡会」という会のみなさんでお互い協力し合って仕事をしているとのこと。9月24日に行われた「第5回北信州ハーフマラソン」の時には100パックのさばごはんを持って出店し、1時間で完売したそうです。パッケージには“別に名物じゃないよ”というキャッチコピーがついていますが、笹ずしの裏でじわりじわりと人気を高めていました。「助け合いながら、これからも『笹ずし』と『さばごはん』を広めていきたい」と岩崎さんは話してくださいました。

2017年10月03日


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