汐留鉄道倶楽部

福岡市の地下鉄空港線

2018年11月30日

 姪浜駅で顔をそろえた1000系(右)と2000系電車

 福岡市を初めて訪問した人は西鉄バスが縦横無尽に路線を張り巡らし、中心部では右を見ても左を見ても西鉄バスだらけ、といった光景におおむねびっくりする。

 そんなバス王国・福岡市で、もう一つの移動の足が市交通局の地下鉄だ。3路線あり、うち福岡空港と西郊の姪浜を結ぶのが「空港線」。空港、博多、中洲、天神、西新など主要タウンを結ぶ動脈で、姪浜からは遠くJR筑肥線や唐津線方面に乗り入れ、空港から佐賀県の西唐津まで走る電車もある。もっとも佐賀入りするのはJR車両だけで地下鉄車両は最長で福岡県糸島市の筑前深江までとなっている。

 空港に直接乗り入れる地下鉄は全国でもこの空港線だけで、空港が中心部まで至近で便利、という定番の評判を後押ししている。

 空港線は姪浜を過ぎて筑肥線に直通すると間もなく沿線風景が玄界灘の海景色と変貌し、すがすがしい気分に浸ることができる。海沿いを走る直通地下鉄なんてそんなにないのではないか。

 福岡市を訪れるたびに空港線を使う。ほとんどが「明治通り」という目抜き通りの下を走る。わたしはこれまで都合3回福岡市に住んでいるが、最初の1970年ごろの中学校時代は地下鉄なんかもちろんなく、地上の明治通りを西鉄の路面電車が走っていた。

 博多駅からは筑肥線のディーゼルカーが住宅街をのんびりと姪浜経由で唐津方面とを結んでいた。やがて路面電車が廃止になって81年にほぼ同区間を地下鉄が走った。2度目に住んだ1987年ごろは空港線はまだ博多止まり。確か空港まで延伸する話があったような気がする。

 3度目に住んだ2014年あたりは博多駅がものの見事な巨大な駅ビルに生まれ変わり、度肝を抜いた。七隈線という地下鉄新線もできていた。住むたびに大きな変化を遂げていた。地下鉄もそうだが、街がいつも変貌に向け活気にあふれている。それがこの街の魅力か。

 写真は右が空港線の1000系、左が2000系。デビュー当時から走る1000系電車は改造を繰り返しながらも同じ顔で今も走り続けていた。思えばわたしの会社人生スタートと同時に誕生したのだから、相当古い顔ではある。

 この地下鉄に乗って思うのだが、優先座席が空いていることが多いということだ。市民意識として優先席には必要とする人以外は基本的に座らない、という“不文律”でもあるのだろうか。空いていれば座ればいいのにとも思うが、東京ではあまり見かけない光景だ。空いていればだれだって気軽に座るのが通常で、不文律など本当にあるのか、仮にあるのならそれがいいのか悪いのかは分からない。

 また、このコラムで何回が指摘したエスカレーターの片側空けのおかしな慣習は、空港駅や天神駅では見られず、2人がきちんと横並びで立っていた。これもたまたまそんなキャンペーンを市がやっていたからなのか、普段から片側空けの“ルール”がないのか、不明だ。別に調べる必要もないのだけど。

 なんであれ、空港線に乗った時にどこか東京とは違う光景を目にすることは多い。

 ☆共同通信 植村昌則


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