汐留鉄道倶楽部

眺めが最高、多摩モノレール

2018年1月12日

 (上)さえぎるもののない眺めが魅力の多摩モノレール、(下)冬場は富士山がよく見える

 (上)車両の細部まで見学できる公開イベント、(下)高所作業のデモンストレーション

 東京多摩地域の中心都市・立川市を通り、地域を南北に連絡する多摩モノレール(上北台―多摩センター)が堅調だ。赤字が問題にされた時期もあったが、1998年の部分開通にこぎ着けるまでの初期の事業の遅れと建設費の増加が原因であり、全線開通した2000年に1日約8万人だった乗客数は、2016年には14万人と順調に伸びている。

 郊外の住宅地から都心方面へ通勤客を運ぶ需要に加え、沿線に立地する中央大や明星大などに通う学生の足として逆方向の需要もあることが強みとなっている。

 多摩モノレールは、跨座式と言われるコンクリート製のレールを車両がまたいでタイヤで走行するしくみ。住宅の軒先より高い位置を走り、視線をじゃまする架線や架線柱もないから眺めは最高だ。

 市街地を駆け抜け、多摩川を渡り、多摩丘陵を駆け上がり…と、次々と変わる沿線風景の向こうには、天気が良ければ富士山が眺められる。さらに運が良ければ山頂に夕陽が沈む「ダイヤモンド富士」に遭遇するチャンスもある。

 最近、乗客数の伸びに呼応してクロスシート(向かい合わせ)だった座席を横一列のロングシートに変えてしまったが、これはファンとしては残念だった。

 毎年秋に立川市内にある車両基地を公開するイベントがあり、昨年初めて参加したが、多数の親子連れで賑わっていた。普段は見えないタイヤなどの走行装置を見ることができ、ポイントレールの切り替え、高所作業の実演など興味深いデモンストレーションがいろいろあって、大人でも十分楽しめる内容だった。

 課題がいくつかある。一つは延伸問題。現在営業中の区間は南北に走る骨格だけであり、両端からさらに東西へ路線を延ばし鉄道空白地帯を解消しようという計画がある。ただ、東京といえども郊外では人口減少の局面を迎えつつあり、モノレールという手段が適切かどうか、吟味が必要だ。

 乗車して気になるのはその速度。建設費を抑えるために用地買収の必要がない道路上に建設したのはいいが、急カーブや勾配区間も多くてスピードを出せないというのが、鉄道としては大きな弱点だ。さらに運賃が全線16キロで400円は高い。同じ距離で地上を走るJR中央線や京王線なら250~300円だから、これも鉄道としては割高だ。

 「たま」に乗るなら楽しいモノレール。いつでも乗りたいモノレールになるため、さらなる工夫が欲しいところだ。

 ☆篠原啓一


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