汐留鉄道倶楽部

小さいけれど大迫力!黒部トロッコ電車

2017年12月15日

 新山彦橋を渡るトロッコ電車=9月25日

 大自然の中を走るトロッコ電車=9月25日

 開業以来、ずっと乗りたかった北陸新幹線に乗って富山県を旅行した。目指すは富山を代表する温泉郷・宇奈月温泉。宿に荷物を預け、この旅の目的である黒部峡谷鉄道のトロッコ電車に乗りに行った。

 黒部峡谷は、北アルプスの立山連峰と後立山連峰の間を流れる黒部川が作り出した、日本で最も深いと言われるV字峡谷だ。急峻な地形で豪雪地帯ということもあり、長い間人が立ち入らない秘境だったという。

 だが大正時代から水力発電開発が始まり、建設用の資材や作業員の輸送のために鉄道が敷かれた。これを観光資源として活用し、現在の形に至っている。

 黒部峡谷鉄道の宇奈月駅でトロッコに乗り込むと、客車の小ささに驚いた。それもそのはず、この鉄道は険しい地形に敷設したため軌間762ミリというミニサイズなのだ。これは新幹線の約半分。窓のない客車だったので、手を伸ばせばホームに触れるほど。遊園地のアトラクションに乗っているような感覚だった。

 出発すると、すぐに黒部川が見えてきた。深い山に囲まれながら、大きな川が悠然と流れている。ダイナミックな景色が九州の球磨川に似ているなぁと思っていると、すぐにトンネルに入った。

 そしてトンネルを出ると、黒部川にかかる新山彦橋を渡る。パンフレットなどにも使われる赤い橋で、山の緑、川の青とのコントラストが美しい。ここでは川がかなり下の方に見え、峡谷の深さがうかがえる。まだ秋の初めだったので、ひんやりした風が気持ち良い。

 そしてまたトンネルへ。この鉄道は難所に敷設する上、雪害を避けるためにトンネルが多用されている。実際、乗ってみると景色が見えた!と思ってもすぐにトンネルに入ってしまう、という印象だった。トンネルも小さな客車に沿うようなサイズで、通り抜ける際はかなり迫力がある。

 この鉄道は元々工事専用だったが、観光客のニーズに応えるため昭和初期から料金を取って一般客にも開放した。当時の便乗証には「安全は一切保証しません」と書かれていたという。なるほど、と思うような絶壁を進みながら約1時間、鐘釣駅で途中下車し、川沿いを散策した。終点の欅平までは約1時間20分、20キロの道のりだ。

 今まで乗った観光トロッコの中でも、特に自然が近くに感じられる列車だった。当時の人が、危険を冒してでも乗りたいと思ったのもうなずける。例年12月から4月下旬までは運行を休止するため、興味のある方は来春以降、訪れてみてはどうだろう。

 ☆若林美幸=共同通信社生活報道部


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