浅見帆帆子 未来は自由!

あの企業がダメになるのは誰でもわかる

2017年3月20日

 

 前回の続きです。ガラス製のテーブルを搬入してもらった地方の業者さんの心温まる対応に、(恐らく必要以上に)感じ入ったのには、もうひとつ理由がありました。その前の週、友人がそれと真逆の対応に接したからです。

 友人のスマートフォンが使い始めて1年足らずで壊れてしまい、契約していた通信会社による「不良品による交換可能対象品」だったので、電話で交換を申し込みました。すると、電話ではできないので店舗に来てほしいと言われました。

 翌日、仕事の休み時間に店舗に行くと、受け付けで話を聞くまでに数時間かかると言われ、後日出直すことにしました(もちろん、この期間、スマホを使うことはできません)。すると、「この故障が本当に交換対象かを判断するために本部に送って確認作業が必要」と言われました(それを言われるまでにも1時間ほどかかったそうです)。その場でデータを代わりの端末に移してもらって帰宅しましたが、これを機会に別の通信会社の機種にしようと思い立ち、契約自体の解約をすることにしました(もちろん、契約期間に縛りがあるものではなかったそうです)。

 翌日、同じ店舗で解約を伝えると、「端末を本部に送る手続きを一度してしまったので、あと数日は戻って来ない」と言われました。店頭カウンターのすぐそこに、昨日あずけたままになっている自分の端末が見えているのに、「これを返すには本部の許可がいる。自分には決定権がない」など言われ、その日もなにもできずに終わったのです。その後も解約のために何度も足を運ばなくてはなりませんでした。

 「解約手続きをわざと複雑にさせているこの仕組みって、どうよ……」と、友人は怒りよりもむなしさを感じていました。

 現場の社員はマニュアルに忠実に対応しているだけでしょう。謝っている言葉も型通り、心からそう思っているわけではなく、クレームが来ないように緻密に計算されて上から教育された言葉を繰り返すだけ……。

 その会社に利益をもたらすために、または社会に良いサービスを提供して、お互いに幸せになるために始まった仕組みが、巨大組織になるうちに、「あれ?なんか違うことになっていない?」という方向に進み始め、でも誰もそれを止めることはできず、だんだんと疑問を感じることもなくなって、それが現場まで下がるとただのマニュアルになり、外からの文句を現場がかぶることになる……こういう企業が近い将来、傾いていくのは誰が見てもわかります。

 そして、先週の搬入業者さんが、今後伸びていくだろうということも、誰が見てもわかる……とてもシンプルだし、どちらの方が幸せを感じながら仕事をしているか(生きているか)も一目瞭然でした。(毎週月曜に配信)



☆浅見帆帆子(あさみ・ほほこ)著書に『出逢う力』(宝島社)、『こんなところに神様が……毎日、ふと思う(15) 帆帆子の日記』(廣済堂出版)など累計部数450万部を超す作家・デザイナー。公式HP:www.hohoko-style.com


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