音楽玉手箱

バーブラ・ストライサンド『ウォールズ』 もう我慢できない! バーブラが分断される世界に訴える

2018年12月19日

 バーブラ・ストライサンド『ウォールズ』

 バーブラ2005年以来の、オリジナル作品中心の新作。近年はポップスターや映画スター達とスタンダードやミュージカルナンバーを聞かせてくれた彼女が初めて発表した、社会問題をテーマにした作品です。リベラルな彼女、コンサートで意見を語ることはあっても作品でメッセージをしてこなかったのは、彼女が“愛の歌”を歌い続けることでその意が伝わると信じていたからだと思います。

 しかしトランプ大統領の出現以後世界が無残に分断されていく様をみて我慢しきれなくなったのでしょう。大きな子供のトランプに言い聞かせるように、フェイク、壁、分断ではなく愛と融和が大切だと歌います。タイトル曲「ウォールズ」では壁ではなく橋を、また彼女が作曲した「嘘をつかないで!」などでは彼女が憂慮する現実と未来を、「レディ・リバティ」では“自由の女神”に希望の光を願います。ハイライトの「イマジン/この素晴らしき世界」では、本来素晴らしいこの世界をもう一度イマジンしてと訴えるのです。

(ソニー・ミュージック・2600円+税)=北澤孝


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