新刊レビュー

『生きるって、なに?』たかのてるこ著 こじらせアラフォーをも懐柔

2018年7月13日

 

「宇宙」とか「愛」とか言われると、じんましんが出るようになりました。嘘です。嘘ですが、なんか苦手意識がありまして。なんでだろ。自分が見たことがないもの(宇宙とか)を、「ある」前提で連呼されることが、そのテンションについていくことが、なんかしんどいのかな。胡散臭く感じるのかな。わっかんないけど。

 で、本書です。著者は今から18年前(もうそんな前か!!)にエッセー『ガンジス河でバタフライ』でデビューした、たかのてるこ。この処女作、たしかすんごい売れて、クドカン脚本、長澤まさみ主演でドラマ化もされたのよね。まさに一世風靡という言葉がよく似合う、言わずもがなのベストセラーだったわよね。

 で、そんな彼女の新刊は、愛とか宇宙がてんこ盛り。おおお、そうでしたか。そういう感じでしたか。これまでの作品を読んだことがないからこれが平常運転なのかわからないんだけど。

 写真と詩で構成されている本書は、問いに対する答えが数珠繋ぎに続き、展開されている。それはタイトルにもある「生きるって、なに?」という、子供の質問のような、でも誰もが一度は考えるであろう問いから始まる。そこから世界の仕組みが解き明かされていくのだけど、愛と宇宙が超頻発。あら、また会いましたね。もはや主な登場人物です。なんならそこに「粒子」も加えましょうか。でもね、不思議なんですけど、じんましん、出てないんすよ。スピリチュアルって怪しいに決まってるという、偏見ありまくりのアラフォーの心をも懐柔する、本書は一体なんなんだ。

 きっと、自分をいっぱい責めてきたのかな。落ち込んだり、自信がなかったり、優しくできなかったり。著者は、そんな自分と逃げずに向き合ってきたのかな。だから説得力があるのかな。経験を、試行錯誤を、学んできた軌跡を、ちゃんと全部咀嚼して、血肉になったものだけで語っている感じがするから、素直に聞けるのかな。今この瞬間を、余すところなく味わおうって、思えるのかな。

 こんなひねくれアラフォー女をも手玉に取る、恐るべしたかのてるこ。恐るべし、職業「地球の広報・旅人・エッセイスト」。只者じゃない感しかない。そんなことを思いながら奥付を眺めていたら、で、出ーたー!高橋歩名人!ごっ、ご無沙汰しております!

 あっ、この本のアートディレクターをされてるんですか!お元気そうで何よりです!……いやー、びっくりした。神出鬼没なんだからもー。ほんと、旅人いるところに高橋歩ありだな。最後にそんなオチまでついて(オチではない)、色々な意味で元気をもらった本書でした。

(terubooks 500円+税)=アリー・マントワネット


バックナンバー

楽しむ

エンタメコラム
特選お役立ちコラム
中島麻希 信州FOOD記
成沢篤人 それはさておき、ひとまずワイン
横山タカ子 暮らしの調味料
東京アート日和
信州スポーツ
信州お天気手帖
イベント情報
イベント情報投稿
映画館情報
書籍・CDランキング
グローバルメニュー
  • 信毎デジタルパスポート
  • 信毎の本オンラインショップ
  • 信毎イベント&チケット
  • 信毎オリジナルグッズ