花まるシネマ

『グッバイ・ゴダール!』 ゴダールっぽさが立ち昇るチャーミングなフランス映画

2018年7月10日

(C) LES COMPAGNONS DU CINEMA ☆(二分ダーシ) LA CLASSE AMERICAINE ☆(二分ダーシ) STUDIOCANAL ☆(二分ダーシ) FRANCE 3.

 『アーティスト』のオスカー監督ミシェル・アザナヴィシウスが、ゴダールの2番目の妻アンヌ・ヴィアゼムスキーの自伝的小説を映画化。19歳の学生だったアンヌは、17歳年上の有名な映画監督ゴダールと恋に落ち、彼の新作『中国女』に主演することに。世間が注目する中、二人は結婚するが、ゴダールが商業映画から離れるにつれ、夫婦の間にも距離が生じ…。

 ヴィアゼムスキーが、アンナ・カリーナとアンヌ=マリー・ミエヴィルに挟まれて、ゴダールの妻としての影が薄いのは、蜜月期間の短さだけでなく、ゴダールの映画監督としてのキャリアが関係している。当時、ジガ・ヴェルトフ集団を立ち上げて政治へと偏向していったゴダールの監督としての混迷と、夫婦の混乱が重ね合わせて描かれる構成が巧妙だ。

 それでも、原作ほどどんより感がないのは、本作がコメディーだからだろう。フィルムのネガとネガティブをオヤジギャグのように引っ掛けた演出、転んだりメガネが繰り返し壊れるといった映画的な笑いの挿入に、さすが『アーティスト』の監督!とうれしくなる。ゴダール論やバックステージものとしても見応え十分で、演出自体でそれほどゴダールのマネをしているわけではないのに(色彩は『中国女』をかなり意識しているが)、全編からゴダールっぽさが立ち昇るチャーミングなフランス映画だ。★★★★★(外山真也)

監督・脚本:ミシェル・アザナヴィシウス

出演:ルイ・ガレル、ステイシー・マーティン

7月13日(金)から全国順次公開


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