花まるシネマ

『V.I.P. 修羅の獣たち』 「北」の亡命高官が連続殺人の容疑者となり“四つ巴”の攻防戦が

2018年6月12日

(C)2017 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

 『新しき世界』で注目された韓国の鬼才パク・フンジョン。男臭いハードボイルドな世界観は、国際レベルまで舞台を広げたこの新作でも健在だ。韓国の国家情報院とアメリカのCIAが北から亡命させたエリート高官の息子=VIPが、連続殺人事件の容疑者となったことから、彼を捕まえたい警察と保護しようとする国情院、さらには北朝鮮の工作員も絡んだ“四つ巴”の攻防戦が繰り広げられる。

 とはいえ、VIPの性癖と残忍さが並外れているため、保護する側も、さらには我々観客も含めた全員が、彼に対して嫌悪感を募らせていく。その上、北朝鮮の政治情勢によって四者の立場や力関係が二転三転していく。そのいびつな四つ巴が、かつてない斬新さとサスペンスを生んでいるのだ。

 『生き残るための3つの取引』『悪魔を見た』などの脚本も手掛けているフンジョン監督は、“韓国最高峰のストーリーテラー”と呼ばれるが、演出力も並ではない。特に、過度なまでに血生臭い残虐な描写と、どこか突き放したような“タメ”を作らない演出のコントラストは効果的。ただし、ありとあらゆる手立てを駆使してVIPへの嫌悪感をあおり、観客までも「目には目を」という気持ちにさせていく一直線の洗脳力に関しては、見事と思う反面、違和感も覚えてしまうのだが。★★★★☆(外山真也)

監督・脚本:パク・フンジョン

出演:チャン・ドンゴン、キム・ミョンミン、パク・ヒスン、イ・ジョンソク、ピーター・ストーメア

6月16日(土)から全国公開


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