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東京国立近代美術館工芸館

<写真1>黒田辰秋の長椅子のある、工芸館2階

<写真2>《信楽山羊角杯》1988年 愛知県陶磁美術館蔵 撮影:藤森武   《信楽帽子》《信楽ステッキ》1982年 菊池寛実記念 智美術館蔵

<写真3>《縞に丸文どぼんこ染淡鼠地絣着物》1984年 東京国立近代美術館蔵

 今回は大好きで何度も訪れている東京国立近代美術館工芸館のご紹介です。なんと言っても、北の丸公園内、深い緑の散歩道を抜けて見えてくる明治時代の煉瓦造りの建物(重要文化財指定)が素敵で、入る前からときめいてしまいます。

 重い扉を開けると、正面には木製の階段。展示会場は2階です。重厚な手すりの階段、ふかふかの絨毯。黒田辰秋の長椅子や、プロダクトデザインの先駆け、柳宗理のバタフライスツールなどが置いてあり、つい腰掛けて、長居したくなる心地よさがあります=<写真1>。

 今年で開館40周年となる工芸館は、陶磁器を中心に、日本の近代・現代の工芸の流れを俯瞰することのできるコレクションを持ちます。11月23日(木)までは同館とも縁の深い陶芸作家辻清明の特別展を開催しています。花器やお茶道具の他に、動物をモチーフにした杯や、帽子に空き瓶、空き缶など日常の中で見つけたモチーフが陶器で再現されているのは新鮮です=<写真2>。子供から大人、焼き物を志す若者までが、楽しみながら新しい発見のできる場所であるように、という思いが込められているそう。

 この特別展中は展示されていませんが、私の祖父、宗廣力三の紬作品も6点所蔵されていて、偶然訪れたときに出会うと、嬉しいものです=<写真3>。染め織りを1年ほど習ったことがあるのですが、模様が出来上がる理屈を少し分かってから眺めると、ひとつの作品にかけられた時間と集中力に改めて驚かされます。

 そんな風に、観る人の感性も訪れる度に変わるので、同じ作品であっても、その都度印象が変わったり、発見することがあります。工芸館の嬉しいところは、所蔵作品展の入場料が250円と、お手頃なこと。気軽に、何度でも訪れて、本物に出会うことができます。玄関口を入ってすぐ左手には、所蔵している現代作家の作品が展示販売されているコーナーも。気に入ったら、身近に置くこともできるというわけです。手仕事と私たちの日々の生活を近づけてくれる場所です。

☆プレゼント☆
このブログ読者の中から5組10名様を、工芸館開館40周年記念特別展「陶匠 辻清明の世界」にご招待します!
締め切りは10月22日(日)。 応募はこちらから。

【お出かけついでに】
 どの最寄り駅からも少し歩くのが工芸館ですが、その過程が楽しめるのも、また工芸館です。九段下から向かう人は、お堀から田安門を通って武道館を左に眺めて…とちょっとした東京観光もできてしまいます。皇居のマラソンルートや、春には千鳥ヶ淵のお花見スポットもあります。北の丸公園の池でピクニックした帰りなど、ふらっと気軽に寄れるのも、いいですね。

【美術館情報】
東京国立近代美術館工芸館
◇場所:東京都千代田区北の丸公園1-1
◇最寄り駅:東京メトロ東西線竹橋駅 1b出口より徒歩8分
      東京メトロ半蔵門線,東西線,都営新宿線九段下駅 2番出口より徒歩12分
◇開館時間:10:00-17:00
◇休館日:月曜日(祝日の場合は開館)、展示替期間、年末年始
◇所蔵作品展観覧料(税込):一般250円、学生130円

2017年9月27日


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