東京アート日和

「イメージの力―国立民族学博物館コレクションにさぐる」

 こんにちは。吉沢朋です。

 「東京 アート日和」始まります。

 長野は文化県!と勝手に思っていますが、色々な催しや展示会がいつも県内どこかしらであって、時には美術館めぐりに県外まで出かける…なんて方も多いのは信州ならでは、ではないでしょうか。

 このコラムは、東京都内を中心に、私が素敵だな、と感じた展示会や美術館を、その周りにあるほっと一息つけるお店や散歩道などと併せてご案内します。美術館めぐりの一日のお供に、何かのお出かけのついでに、参考にして下さると幸いです。

 第1回は、「アートってなに?」と改めて考えてしまうような、初回にふさわしい展示を、六本木は国立新美術館から。

 日本にアートという言葉が輸入され、「美術」という言葉が誕生したのは、たった百年と少し前のことだそうですが、今回ご紹介する「イメージの力」展は、日本に限らず、そんな“アート以前”の造形物が、現代アートの視点からどのように再構築されるかが、見所です。

 「よし、美術品をつくるぞ!」なんていう意図を持たなくとも、ピカソやモディリアーニといった芸術家が度肝を抜かれるような造形が、世界中で作られていたという事実。わくわくしますよね。

 みんぱくの名で知られる大阪の国立民族学博物館には、世界各地の人々が生み出した生活用具や造形が34万点も納められています。その膨大なコレクションから、現代アートを中心とした企画展示を行う国立新美術館が、選りすぐった600点。刺激的で、知れば知るほど興味惹かれるものばかりです。

 例えば、イギリス国旗を、自分たちの軍旗のデザインに採用したのはガーナのファンティ族。彼らにとってあのユニオンジャックは、イギリスの軍艦に翻ってたイメージに過ぎなく、それはいつのまにか軍艦の象徴となっていたからなのでした。あのユニオン・ジャックを見て、「あ、イギリス」と思うのは、イギリス国旗という事実を知っている人だけなのですね。

 今まで当たり前だと思っていたことが、当たり前でなかったり、別の国では全く違う意味をもったり…
「当たり前」の違いに気づくことは、自分を新しく発見することにもつながります。そんな頭の体操にもなるような展示は「イメージの力」というタイトルどおり、キャプションを最低限にして、観る人のイメージ、想像力を喚起します。
 自由に、目の前のもの・ことそしてその後ろに広がるストーリーを想像してみてください。

【写真上】
 本来の、立てられた状態で展示されるのはこれが初めて!というインドネシア、アスマット族の葬送用の柱は6mにも達して、圧巻です。つなぎ目のない一本の棒で、現地では地面に穴を掘って立てるそうですが、展示用に、穴のある台を専用につくらなければならなかった事や、滑車を使って立てるのが大変だった…なんて裏話も。
 背の高いものは天とのつながりを象徴し、死者を送り出したり、精霊を迎え入れたりする際の道具として高さのある造形物が作られるのは、世界各地で見られる現象だそう。そういえば、かぐや姫を恋しく思う帝も、天に一番近いという富士山の頂上で不老不死の薬を燃やしましたっけ。

【写真中】
こちらの様々なモチーフをかたどった大きな置物も、お葬式に関係のあるものなのですが、なんだと思いますか?(答えは下に)

【写真下】
そして最後の部屋は、「美術館」として、人々の生活の道具などを「芸術的」に展示した空間になっています。この写真はそのほんの一部。国立新美術館とみんぱくのコラボレーションの真骨頂、ぜひお出かけになって確かめてみてください。


【お出かけついでに…】
ミッドタウンでお買い物、芝生でのんびり、またアート。美術館を出たら、そのまま左方向へ徒歩3分。東京ミッドタウンは、ショッピングだけでなく、まさに都会のオアシスといった芝生の庭も魅力。のんびりしたあとは、館内ガレリア3階にあるサントリー美術館や、敷地内にある三宅一生などがディレクターを勤める21_21デザインサイトでもっとアート三昧の一日を楽しんでも。

六本木アートナイト2014
4月19日(土)は六本木アートナイト2014開催につき、国立新美術館の一部の展覧会は入場無料です。その日一日は、六本木の街全体がアートギャラリーとなり、音楽、ファッションなどが融合したイベントが夜遅くまで開催されています。ちょっと入りにくいな…と思っていたお店にもふらっと立ち寄れるチャンス!


■展示会情報
「イメージの力―国立民族学博物館コレクションにさぐる」
場所:国立新美術館企画展示室2E
最寄り駅:東京メトロ千代田線乃木坂駅青山霊園方面改札6出口(美術館直結)都営大江戸線六本木駅7出口から徒歩約4分 東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩約5分

観覧料:一般 1,000円 (館内への入場は無料)
開催期間: 2014年6月9日まで (毎週火曜日休館 ただし、4月29日(火)および5月6日(火)は開館、5月7日(水)は休館)
開館時間:10:00~18:00 金曜日は20:00まで。4月19日(土)は22:00まで。入場は閉館の30分前まで。

展覧会HP:http://www.nact.jp/exhibition_special/2013/power_of_images/index.html
展覧会Facebook:https://www.facebook.com/the.power.of.images

答え<棺桶>

2014年4月01日


バックナンバー

楽しむ

エンタメコラム
特選お役立ちコラム
中島麻希 信州FOOD記
成沢篤人 それはさておき、ひとまずワイン
横山タカ子 暮らしの調味料
東京アート日和
信州スポーツ
信州お天気手帖
イベント情報
イベント情報投稿
書籍・CDランキング
グローバルメニュー
  • 信毎デジタルパスポート
  • 信毎の本オンラインショップ
  • 信毎イベント&チケット
  • 信毎オリジナルグッズ