東京アート日和

N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅 -現代アートで巡る、南インドから宇宙まで

 「現代アートで巡る、南インドから宇宙…」。またまた魅力的なテーマに惹かれて、森美術館を訪れました。前回このコラムで紹介した時は、「美はどこからくるのか」という副題に心惹かれたのをよく覚えています。フォトジェニックならぬコピージェニック、なんて言葉があるとしたら、心に引っかかるキャッチコピーを繰り出す森美術館はまさにそうだと思うのです。

 そういった経緯で、名前は知りませんでしたが、見てみたいなぁ、と思い訪れたのはN・S・ハルシャの展示。インドはバンガロール州マイスール出身の現代美術家とのこと。インドといえば、ゼロの発見、仏教発祥の地であり、哲学的なイメージがあります。宗教や政治、思想の要素はハルシャさんの作品にも、存分に反映されています。

 トレードマークとも言える、同じ行為を行う人々が繰り返し描かれている作品。例えば、「食べる」「寝る」といった日々の営みが、何百人という人々によって画面上で繰り返されていきます。ハルシャさんにとって「寝る」ことは宇宙と一体になる行為なのだそうで、だからこそ、眠る人はみな安らかな表情なのだなぁ、と思い至ります。また、何かを繰り返し行うことは、瞑想のような、心を落ち着かせる行為でもあります。


<「私たちは来て、私たちは食べ、私たちは眠る」(部分)  「眠るという行為は宇宙と一
体になること」とハルシャさん。眠っている時は、確かにみんな幸せそうな表情ですね>


 哲学的、政治的なテーマを含みつつ、重苦しい印象にならないのは、全体を通して使われている綺麗な色使いであったり、ユーモアのセンス、そして観る者を作品の中に引き込む工夫だと思います。


<「空を見つめる人びと」では、何千人という人々と共に、私も空を眺めました>

 感動したのは、六本木に住む小学生100人とハルシャさんの共同制作とも言える展示。どんな大人になりたいかを想像し、その憧れの姿を大人サイズの白いシャツに描く、「未来」というテーマのワークショップです。呼吸をわすれたかのように、真剣な眼差しで取り組む子供達に、心を動かされました。子供の可能性に高い関心を持っているハルシャさんの考えで始まったものだそう。


<東京の子供たちと作った作品「未来」>

 このように、ハルシャさんの作品はただ見るだけでは終わらない、参加して、体験するので、より心の深い部分を揺さぶられる気がします。だからこそ、楽しい。現代アートとは、と改めて考えさせられました。

☆お知らせ☆
このブログ読者の中から5組10名様を、「N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅」展にご招待します!
締め切りは3月15日(水)。 応募はこちらから。

【展示会情報】
◇「N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅」
◇場所:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
◇最寄り駅
 ・東京メトロ日比谷線「六本木駅」徒歩0分(コンコースにて直結)
 ・都営地下鉄大江戸線「六本木駅」徒歩4分
 ・都営地下鉄大江戸線「麻布十番駅」徒歩5分
◇開催期間:6月11日(日)まで
◇開館時間:10:00~22:00(火曜日のみ17時まで)
 (いずれも最終入館時間は閉館の30分前まで)
◇休館日:会期中はなし
◇入館料(税込):一般1,800円、学生(高校・大学生)1,200円、子供(4歳-中学生)600円、シニア(65歳以上)1,500円
 ※表示料金は消費税込
 ※本展のチケットで展望台 東京シティビューにも入館可(屋上 スカイデッキを除く)
 ※森アーツセンターギャラリーへの入館は別料金になります。
 ※屋上 スカイデッキへは、別途追加料金がかかります。

2017年3月03日


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